面影
2004年2月17日今日地下鉄をぼーってまってた。
入ってきた地下鉄の通り過ぎてった窓から見えた女の子に
ぼーってしてたのが一気にさめた。
亡くなった後輩に似てたから。
ていうか見えたのはほんと一瞬だったから似てたわけじゃなくて
似てるように私の気持ちが見せただけなんだろうけど。
彼女はほんとかわいい子だった。美人ていうのとは違うのかも
知れないけど、ほんとかわいかった。
髪の毛さらさらでお肌はまっしろで、ちょっとたれ目で、
でもそれがまた彼女のやさしそうな雰囲気とあってた。
あゆをおもいっきり優しくしたみたいだね、って言ってたことも
あった。
お家もお金持ちで、ほんと何不自由ないってこの子のこというのかな
なんて思ってた。
嫉妬しそうなほど恵まれてて、でも彼女だから嫉妬しなかった。
そんな彼女が病気になって、すごい苦しい思いをして、
あっというまに、あっけなく、皆がなんにもできないうちに
心の整理だってできないまま、死んでしまった。
お葬式のときに、久しぶりに会った彼女は、治療の跡が全然
見られなくて、きれいなまんまだった。
やせてたり髪の毛がなくなってたりするのを想像してたから
きれいだったあの子がそんな風になっちゃうのは耐えられないって
思ってたから、ほっとするのと同時に彼女がほんとに
あっというまになくなったことを実感して悲しかった。
友達が死ぬのは初めてじゃなかった。
だから自分は大丈夫だって、すぐ乗り越えるって思ってた。
でも次の日も一週間後も色んな場面を思い出して、心が何度も何度も
叩きつけられるような気持ちだった。
笑ってる彼女の写真、流れてた音楽、出棺の時の泣き声。
彼女が赤ちゃんの時の写真を会場で見たんだ。ぷくぷくした
かわいい赤ちゃんが座布団の上でにこにこ笑ってる。
随分昔に彼女の名前の由来を聞いたことがあった。なんでそんな
こと聞いたのか分からないんだけど。
彼女がおなかのなかにいるってわかったときにお父さんとお母さんが住んでた外国の名前をとったんだって。
その時、ご両親がどんな気持ちで彼女を待ってたか、
その子をお棺に入れて送るのはどんな気持ちかって。
そんなこと考えるたびに気持ちがどんどんしぼんでった。
もう会社にいっても誰とも話す気がしなくなって、ずーっと
黙ってた。お昼も席で一人で食べてた。
つらいことがあっても耐えられるのは心が弾力を持ってるから。
なんどもなんども叩きつけられてたら弾力がなくなっちゃうんだって
その時思った。
でもやっぱり時間っていうのは偉大で、今は楽しいことがあれば楽しいって思えるし。
色んな悲しみがあるけど、人の生き死にに関する悲しみを癒せるのは
時間だけなんだ。ね。
でも今日みたいに、ふっ、って思い出したりすると
あのときの気持ちが戻ってくる。
悲しみだけが存在する場所。
もうあんな場にはいたくない。
入ってきた地下鉄の通り過ぎてった窓から見えた女の子に
ぼーってしてたのが一気にさめた。
亡くなった後輩に似てたから。
ていうか見えたのはほんと一瞬だったから似てたわけじゃなくて
似てるように私の気持ちが見せただけなんだろうけど。
彼女はほんとかわいい子だった。美人ていうのとは違うのかも
知れないけど、ほんとかわいかった。
髪の毛さらさらでお肌はまっしろで、ちょっとたれ目で、
でもそれがまた彼女のやさしそうな雰囲気とあってた。
あゆをおもいっきり優しくしたみたいだね、って言ってたことも
あった。
お家もお金持ちで、ほんと何不自由ないってこの子のこというのかな
なんて思ってた。
嫉妬しそうなほど恵まれてて、でも彼女だから嫉妬しなかった。
そんな彼女が病気になって、すごい苦しい思いをして、
あっというまに、あっけなく、皆がなんにもできないうちに
心の整理だってできないまま、死んでしまった。
お葬式のときに、久しぶりに会った彼女は、治療の跡が全然
見られなくて、きれいなまんまだった。
やせてたり髪の毛がなくなってたりするのを想像してたから
きれいだったあの子がそんな風になっちゃうのは耐えられないって
思ってたから、ほっとするのと同時に彼女がほんとに
あっというまになくなったことを実感して悲しかった。
友達が死ぬのは初めてじゃなかった。
だから自分は大丈夫だって、すぐ乗り越えるって思ってた。
でも次の日も一週間後も色んな場面を思い出して、心が何度も何度も
叩きつけられるような気持ちだった。
笑ってる彼女の写真、流れてた音楽、出棺の時の泣き声。
彼女が赤ちゃんの時の写真を会場で見たんだ。ぷくぷくした
かわいい赤ちゃんが座布団の上でにこにこ笑ってる。
随分昔に彼女の名前の由来を聞いたことがあった。なんでそんな
こと聞いたのか分からないんだけど。
彼女がおなかのなかにいるってわかったときにお父さんとお母さんが住んでた外国の名前をとったんだって。
その時、ご両親がどんな気持ちで彼女を待ってたか、
その子をお棺に入れて送るのはどんな気持ちかって。
そんなこと考えるたびに気持ちがどんどんしぼんでった。
もう会社にいっても誰とも話す気がしなくなって、ずーっと
黙ってた。お昼も席で一人で食べてた。
つらいことがあっても耐えられるのは心が弾力を持ってるから。
なんどもなんども叩きつけられてたら弾力がなくなっちゃうんだって
その時思った。
でもやっぱり時間っていうのは偉大で、今は楽しいことがあれば楽しいって思えるし。
色んな悲しみがあるけど、人の生き死にに関する悲しみを癒せるのは
時間だけなんだ。ね。
でも今日みたいに、ふっ、って思い出したりすると
あのときの気持ちが戻ってくる。
悲しみだけが存在する場所。
もうあんな場にはいたくない。
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